2009年1月12日月曜日

とうとうきたか!

とうとうきたか! 慢性痛の補償の裁判にfMRIが使われるかも知れないという記事がScienceに載っていた。http://www.sciencemag.org/cgi/content/full/323/5911/195

今回は示談で済んだようだが、今後、fMRI、PET、脳磁図をもとに、痛みの研究者が、「患者が本当に痛いのか」について、法廷で証言を求められる時代になるのだろうか。

そもそもアメリカでは、neuroscienceの最新の知見が、法曹界に大きな影響を与えつつあるらしい。http://www.cell.com/neuron/retrieve/pii/S0896627308008957 例えば、幼少時の外傷や、テレビゲームのやり過ぎで前頭前野が損傷したら、切れやすい人や犯罪者になるかも知れないという例の仮説がある。今後は、脳障害が原因として裁かれるようになるのだろうか。また、fMRI、PETなどが、被告の感情の証明や、嘘発見にも利用されるかも知れないそうな。

現在、研究は細分化されてしまったので、少しでも分野が違うと、研究手法が正当かどうか、専門家でも判断に迷う。このような状況でneuroscienceを法曹に持ち込むと、あやふやな知見による判決が出されるかも知れない。現代版の魔女裁判ってことか、ちょっと心配。