2009年10月23日金曜日

いつもの季節

ようやく2010年度版 科研費申請が終わりました、やれやれ。10月の半ば~終わりにかけては、毎年、アメリカ麻酔学会(ASA)、北米神経科学会(Neuroscience)、そして科研費申請学内締め切り、臨床麻酔学会と続きます。毎年恒例の行事(?)ですが、体力・精神的にかなりつらい季節です。

ASAやNeuroscienceでは、学会場に顔を出した後は、ホテルで科研費申請書を書く年もあります。とはいえ、学会期間中多くの方々と交歓し情報交換するのも重要な仕事ですので、お酒を飲んではホテルに帰り、それから科研費申請書を書くということもしばしばです。それでも今のような電子申請などがないずっと昔は、印刷した小さな文字を申請用紙に切り貼りしたりと、申請書を書くこと自体が大変でした。

毎年、10月が近づいてきたら、何となく気分がそわそわしてくるのがわかります。また今年も「いつもの季節」がやってきた、と体が覚えているのですね。小中学生の時、ツクツクボウシやコオロギが鳴き出したら夏休みの終わりで、いゃ-な気がしました。大学時代は京都の長い秋は、枯葉がカサコソいう音で胸がざわつき嫌な季節でした。そしてようやく中年以降になったと思ったら、やはり秋は科研費に悩まされる季節で、いゃーな季節のままなのですね。いずれリタイアしたら、ようやく秋はいい季節になるのでしょうか。

さて、信州に赴任して、この「いつもの季節」に「青洲杯」というイベントが付け加わりました。これは東京近郊の大学麻酔科が10月の第4日曜日に行う野球の交流戦で、名前は勿論、華岡青洲に因んでいるのです。青洲杯は、ASAやNeuroscienceとは微妙にずれることが多いようですが、科研費申請の締め切りとは確実にバッティングしています。野球だから「バッティング」、なんておやぢギャグをいってる場合でなくて、これは本当につらいことです。試合開始が早朝なので、科研費申請でヘロヘロになった体で、信州松本から川越まで車で行かねばならないのですからね。

教室の人達は前泊するのですが、私にとてもそのような時間的余裕はありませんので、この2年間さぼってきました。とはいえ、お世話になっている大先生が青洲杯を大事にしており、今年こそは何としても参加して、1球投げなければなりません、始球式ってやつです。どうせなら、始球式にフォークボールを投げてみようかしら、と思っていますが、これは冗談。ともあれ、1球投げるために往復7-8時間かけて車で行かねばならんのです、とほほ。

今後、「青洲杯」が加わった「いつもの季節」を何年も経験すれば、パブロフの犬のように、秋以外の季節でも「華岡青洲」と聞いたら、「華岡青洲」→「青洲杯」→「科研費申請の季節」と連想して、ちょっとドキッとするようになるのでしょうか。ちょっと心配。