医局旅行に行ってきました。昨年は三重の賢島に行き、知り合いの先生の別荘にお邪魔して、クルーザーに乗せてもらいました。医局旅行は1年毎に海⇔山に行くことにしたので、今年は高山になりました。松本から安房トンネルを抜けて、最初に新穂高ロープーウェイ(http://www.okuhi.jp/Rop/FRTop.html)に乗って西穂高口まで行きました。あいにくの曇りで焼岳しか見えず、穂高は全然見えませんでした。
30年前、学生時代に先輩と2人で秋の笠ヶ岳(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%AC%A0%E3%83%B6%E5%B2%B3)を目指したのですが、大雪のために稜線でビバークして、翌日雪崩で遭難しかかりながら、ほうほうのていで新穂高温泉に生還したことを思い出しました。あの時の思い出のせいか、岐阜側から見る穂高にはあまりいい印象がありません。確かに岐阜側から見る笠ヶ岳(下写真左)は、松本から見る常念岳(下写真右)に似た上品なたたずまいで美しいのですが、槍・穂高に関しては上高地側から見た方が圧倒的に素晴らしいと思います。この点については、信州>>岐阜です。
その後、新穂高ロープーウェイで降りて、高山に向かいました。高山は松本の古い町並みに似た町でしたが、その観光地魂にびっくりしましたね。町の隅々まで「どんな人でもWelcomeする心」が詰まっています。30年前はここまで徹底していなかったように思います。サービスが京都ほどあざとくなく、心温かいもてなしです。これは町を上げて徹底していないとできないはずです。翌朝白川郷に行きましたが、少し霧に囲まれた風景は僕が生まれた四国徳島の山の中を彷彿とさせ、しみじみとした懐かしさを感じました。これが関が原の合戦後の、日本の原風景なのだと思いました。明治以降の日本が、近代化により得たものと無くしたもの、などということを柄にもなく考えさせられましたね。
医局旅行は最近の若者には不評だそうです。友達同士ならともかく、職場を同じくするだけの関係で、一緒に旅行するなんてもってのほか、ということなのでしょうね。しかし職場で1日の大半を一緒に過ごしている上司・同僚と、1年に1回くらい同じ風景を見て同じものを食べ、何かを感じるという、共通の体験があってもいいように思います。両者の理解が深まるからね。若い頃はこうした集団行事に積極的でなかった僕が、今ではこのように思うのですから、今の若者も年を取るに従い、医局旅行(に類するもの?)に行きたいと思うはずです。
しかし何より、松本→高山は1.5時間くらいでとても近いので、ちょっとびっくりでした。これなら午前中に往復できるくらいですね。ともあれ来年の医局旅行は海に行きます。やっぱり時には新鮮な魚も食べたいからね。