2009年2月13日金曜日

2008年度 ASA Refresher Course輪読を終えて

2008年5月から始めた2007ASAリフレッシャーコースレクチャーの輪読会が終了した。クリニカルクラークシップ(5年生)に読んでもらったコースも含めると、約120のレクチャーを輪読したことになる。毎回、スライドでの発表形式をとり、学会発表の練習も兼ねた。回を重ねる毎に、lecturerの写真を入れたり、イラストを添えたりする人も増えて、各人が発表に工夫するようになった。それでも、発表の声が小さかったり、カンファレンス係が不在だと、誰も司会をしようとしなかったり、まだまだ気になることもある。でも、来年度も続けるので、皆の意識が少しずつ変わっていけばいいと思う。

僕が赴任して最初に感じたことは、麻酔の知識や技術に関して、教室全体としてのディスカッションがないことだった。自分の麻酔には、とてもこだわりを持っているのに、自分以外の麻酔管理には、無関心・無頓着に思えた。そこで、麻酔の知識の共有化のために、ASAリフレッシャーコースを輪読してみた。最初はMiller's Anesthesiaを後期1年目の先生と読もうとしたけど、挫折したので、教室全員で読んでみることにした。

どうです、結構面白いレクチャーがあったでしょ。麻酔専門医でも、案外、知らないことがあったり、昔の知識が通用しなかったりするもんです。小さい教室では、すべての分野の専門家がいないので、スタッフが毎週何かをreviewしても(これがまだちゃんとできていないが)、全分野を網羅できないので、ASA  refresher courseを輪読して、麻酔の全分野に精通するよう心がけるのは大事だと思う。

そして、AHAガイドライン、ACCPガイドライン、麻酔学会からのガイドラインなど、適宜、付け加えて分担して発表してもらいましょう。知識と技術の普遍化をしなくなったら、「教室」でなくなるからね。

こうした機会を持ちながら、麻酔全般の知識と技術を向上させ、自分が進む方向性を見つけてくれたらいいと思っています。