2009年2月16日月曜日

信州酒蔵ツアー

信州の古い酒蔵を見学に行き、酒造りの苦労話と、試飲(こっちが主目的か)する会があった。信州大学がご贔屓にしている居酒屋の親父さんが主催者で、昨年に続き、今年は教室の先生と一緒に参加した。

僕より少し若い藏元の、酒造りに関する説明が、昨年同様、大変明快である。そしてそれ以上に、大学の化学科に進んだ後、酒造りを継ぐことに決めた経緯や、その後の大変な苦労とちょっとした成功、そして今だに酒造りは難しく、発展途上であるということを、ユーモアを交えて淡々を語る、その内容に胸を打たれる。いい酒を造るために考え努力し、さらに考え努力し...その先に、ほんの少しの成功を得る...というストーリーに感動する。

ここには、「努力すれば、いつかは報われる」という古風な世界観がある。残念ながら、医学の世界では、今、こうした古風な価値観が崩れつつあるのかも知れない。但し、「努力する」とは、身の丈を越えたテーマに、何の準備もせず、徒手空拳で挑むことではない。これは無謀と呼ばれる。この辺の兼ね合いが難しいんだろうね。無謀の方が、ずっと楽なんだろうなあ。

ともあれ、「努力」、すなわち、夜遅くまで論文を読み、実験(臨床)をして、とことん考え詰めた人が、いつかは必ず報われる世の中であって欲しいと願う。そうでないと、医学が進歩しないじゃないか。僕は、藏元の言葉を聴きたくて、来年も参加するだろうと思う。 教室の人も、来年、参加してみませんか。きっと勉強になりますよ。お酒のお土産もつくしね。