2009年11月1日日曜日

学会シーズンそろそろ終了

いつもの季節-秋の学会と科研費申請の季節-がようやく終わろうとしています。先週後半から、臨床麻酔学会で浜松に行って来ました。信州松本→(特急しなの 2時間)→名古屋→(新幹線 30分)→浜松で、結構近かったです。一般演題の座長を3日間連日でやらせていただきました。発表者は若い人ばかりで、初めて全国学会で発表する人も多いようでした。僕も20数年前、この学会(宮崎)で初めて発表した時のことを思い出しました。当時、座長といったら何でも知っている怖ーい大先生と思ってビクビクしていましたが、今では僕が座長をしているくらいなので、当時の座長も(多分)大したことなかったのだなと(失礼!)、ようやく安心しました。

この学会の一般演題は、医局カンファレンスの延長ような雰囲気なので、結構好きです。今回も、あちこちの施設の症例報告や、若い人達が初めて行った臨床研究に接することができました。こうした発表を聞くと、その施設の臨床のレベルがわかるような気がします。ちゃんとしている所は、朝のカンファレンスの発表から、麻酔技術上のディテールまで、背後に一貫してしっかりとした指導医がいるのが感じ取れます。一方、日常臨床に少し手抜きが見えるように思えたり、一人一人の若い麻酔科医の背後にしっかりとした指導医がついていないように思える施設もあります。まぁ、僕の感じ方が間違っている場合もあるのでしょうけどね...

いずれにせよ、基礎的な動物実験やアイデアを凝らした臨床研究では、その施設の実態(ボロ?)が見えにくいように思いますね。むしろちょっぴりレアな症例や、比較的安易な臨床研究を、若い麻酔科医にどのようにデザインさせ、まとめさせるかで、その施設の指導医側の麻酔に対する「哲学」とでもいうべきものが垣間見えるように思います。だからこそ、臨床麻酔学会など、初学者の登竜門のような学会での、比較的軽い(!?)一般演題こそ、各施設の臨床の実態が評価される場にもなりうるのだと思いましたね。これって結構、恐いことですね。

ともあれ日々の臨床を、①正しい方向性で、②真面目に、③持続して行えば、僕達の施設の臨床&研究は正しく向上し、そのいくつかはscienceまで高めることができると信じています。来年、医局でのpreviewは今年以上にしっかり(厳しく?)やるつもりですので、若い先生はpreviewを恐れずに、小ネタの演題を臨床麻酔学会などにどしどし出してくださいな。