2010年5月17日月曜日

アルペンルート

リタイア爺さんのように、バスツアーで信州側から黒部立山アルペンルートに行ってきました。平均年齢67 ± 11歳という感じのツアーでした。私ともう一人以外は、ほぼ全員がリタイア組でしたね。仕事が溜ってて、アルペンルートに行ってる場合か!!  という内なる声はあったのですが、あまりに山と無縁の生活でちょっと煮詰まっていたので、開き直って行ってきましたが、とても良かったです。

黒部ダムは過去、2-3回通ったはずですが、今回もその壮大さに感動しました。快晴で見晴らし抜群で、白馬の雄大さにも感動しましたね。そして数人の重装備の登山客とすれ違った際に、学生時代に黒部ダムから黒部の源流を遡行したことをいきなり思い出しました。当時、私たち○△大学山岳部員は、黒部ダムにいた観光客たちを、「けっ、一般人がチャラチャラするんじゃねーよ」的な眼光ビームで睨んでいたように思います。久しぶりの大きな沢登りで緊張していたのと、基本的に世の中一般に対してトガッた若者ばかりであったためと思いますね。今から考えると、当時の私たちの信条は、「若者らしく、清く正しく屈折する」だったのだと思います。

そのせいか、約30年を経て「一般人」側に自分がいるのが、ちょっと不思議な感覚でした。○△大学山岳部の先輩だったN先生が、今でも自分の子供よりも若いような山岳部員と、気分的に張り合っている理由が少しわかりました。当時の自分の若さ/青さに対する憧憬と恥ずかしさと、現在接している学生諸君の若さに対する応援と嫉妬が入り混じった奇妙な感覚なんですね。なるほど、なるほど。

ともあれその後、ケーブルカー、ロープーウェイ、トロリーバスを乗り継いで着いた室堂で、雷鳥沢に向かって少し下って、剣岳と早月尾根を一部見ることができました。やはり剣岳は素晴らしい!! 年寄りになって足腰立たなくなる前に、一般道でいいので剣岳に登っておかねばなりません。今年、四半世紀振りに槍ヶ岳には登るので、ついでに剣岳も制覇しておこうかしら。剣岳だけなら、1泊2日で行けそうだし...富山側からしか黒部へは行ったことがなかったので、こんなに松本が黒部まで近いとは知りませんでした。

ということで、今年の医局旅行は黒部→剣沢小屋でしょうかねえ、医局長さん。