2010年3月22日月曜日

サルに戻る

新しくできたボルダリングパークに行ってきました(http://www.edgeandsofa.jp/)。僕が学生時代の終わり頃にフリークライミングをする人が増えてきました。彼らは重いザックを担がない代りに、ハーケンやボルトがすでに打たれたルートを回避して、自然のままの岩を登ろうとする一群でした。そして僕が6年生の頃、山で比較的小さい岩にザイルなしでしがみついている人がいるのを見て吃驚しました、あれがボルダリングする人を見た最初でした。

登山における滑降部分がスキーになったように、岩場の登攀だけを切り取ってスポーツにしたのがボルタリングですね。ともあれボルダリングパークの、初心者コース5-6ルートは簡単で、1-2回ずつ登り切りました。そして次のレベルのコースにトライしたのですが、これがなかなか難しく、最後の最後に失敗してしまうのでした、よくできているね。オーバーハングを乗り越えようとすると、どうしても最後に握力・腕力がなくなるようにできていましたね。

ところで今はオーバーハングなんて言わないんだろうね、140度の強傾斜とかいうのかしら。僕の頃はオーバーハングは、「あんなにハングってると、ちょっと厳しい」というような言い方をしました。そしてハングっているところにはアブミが必須でしたが、今ではアブミ(http://www.jalps.net/cgi-bin/yougosyu/dic.cgi?mode=read&head=a)なんて使わないのでしょうね。僕の20 kg台の握力が限界になったので、初めてのボルダリングは2時間で終了となりました。これからは上級者コースを目指して、土日に1回くらい来たいと思いました。松本にはインドアでトップロープクライミングができるところはなさそうなので、当分はここで鍛えようと思います。

山靴でロッククライミングしていた世代としては、ボルダリングに若干の違和感もありますが、それでも登り切った時の達成感・満足感は素晴らしいですね。でもどうしてヒトは壁を登って嬉しいんでしょうか。もしかしたら「サルに戻れるから」かも知れませんね。ボルダリングパークで壁に取りついた人達は、まるでジャングルの木に登るサル達のようです。高い所に登って嬉しいのは、ジャングルの木に登って外敵からの危険が去った時の安心感を疑似体験しているからかも知れません。つまりボルダリングはサルの頃の感覚に戻り、「外敵から逃れた」という仮想体験が得られるため、日々の仕事で外敵(?)との闘いに疲れた、現代人のストレス発散にはもってこいのスポーツかも知れません。

ということで、今年の目標は屋内ボルタリングでの上達と、常念岳周辺の沢登りに決定しました。おやぢ達で穂高~槍ヶ岳の縦走をすることは決まっているので、今年こそはようやく山生活の再スタート年になりそうです。麻酔科内にも山岳部、あるいは沢登り同好会を持ちたいのですが、こちらは成就まではまだまだ時間がかかりそうです。誰か山岳部員が麻酔科に入局してくれたらいいのですが...